気仙沼などの仮設住宅の集会所には、ミシンがあるところが多いのですが、あっても大抵一台だけなんです。 そのために実際に使いたい方は遠慮してしまい、結局何もできないというお声をいただいたことがあります。
集会所にたくさんのミシンを用意し、そこで何か作っていただけたら…。
お母さんたちの仕事にもなるし、趣味の時間にもなるし、
なにより人が集う集会所にすることでコミュニティの再形成にも一役買えるのではないか。
そんな思いから、私たちはネット上や参加してくださった方たちに呼びかける形で、”ミシンの募集”を行ってきました。
早速、呼びかけに応じて声を上げてくださったのは、川崎市にある風の谷幼稚園で働いていらっしゃる先生方でした!以前に、風の谷幼稚園の先生が、私たちの活動にご参加いただいたたというご縁もあり、いち早くご連絡をいただきました。
「風の谷幼稚園で被災地のために集めたお金を、現地でミシン購入のために使ってほしい。もちろんそこで手に入れたミシンは、仮設住宅に配っていただきたい」と仰ってくださり、ありがたく申し出を受け取らせていただきました。
私たちの拠点のある気仙沼市内でミシン屋さんを探すところから始まったこのプロジェクトは、最終的にイオン気仙沼店でミシンを購入するということとなりました(このイオンも津波で被災して大きな被害を受けました)。
購入するという行為も、寄贈するという行為も、どちらも被災地の力になる形で行いたい。
現地が活気付くためにお金を回していきたい。
その上で、たくさんの方がミシンを使えるようになっていただきたい。
そんな思いが風の谷幼稚園の先生方から強く伝わり、私たちもそれに共感させていただいたのですが、なんと、その思いはイオンの担当者様にも届き、ありがたいご配慮をいただけるという結果となりました。先生方からお預かりしていたのは、ミシンを十数台買えるかどうか、という金額。もちろんそれでもかなりの金額なのですが、仮設住宅の方々に一人でも多くお渡したい、という思いは募りました。最終的に、私たちの思いと先生方の御協力の経緯にご理解をくださったイオンの担当者様は、同じ金額で25台のミシンを売ってくださることをお約束くださったのです!
多くの人の心のこもった貴重なミシンは、チームメンバーによって、一台一台大切に仮設住宅にお納めさせていただきました。ピカピカののミシンを見て、「これで洋服が縫える!」「仕事ができる!!」と言って、目を輝かせたお母さんたち。 「何を作ろう」「いつ作ろう…。」と、わいわいとおしゃべりを始めて、とても楽しそうでした。どこへ行っても必ず「ありがとう!」と笑顔を向けてくださり、チームメンバーも感激しました。
今回の募集によって、計25台のミシンを、たくさんの仮設住宅に加え、借り上げ住宅にお住まいの方が使える集会場にも配らせていただくことができました。今回、多大なご協力をいただいた風の谷幼稚園の先生方は、いつも被災地の方々を気にかけてくださっていて、後日、ミシンで使う布地や毛糸なども、別途現地へ送ってくださったそうです。
「誰かの力になりたい方」と「それを必要としている方」をつなぐ架け橋となれること、
その両方の方たちと実際に接し心を通わせる機会をいただけたことを、とても嬉しく思います。
風の谷幼稚園様
http://www.kazenotani.net/
イオン気仙沼店様
http://www.aeon.jp/aeon/kesennuma/